Soncco Wasi 1, Tarapoto, Peru
・・・大学学長の私設診療所

 舗装された幹線道路を左に曲がり、モトタクシーは赤土のでこぼこ道に入った。バイクの荷台から転げ落ちないようにしっかりベルトをつかむ。

 「まだ?」
 「もう少しだよ」

 後ろも振り返らず運チャンが応える。アルマス広場でつかまえた時、Soncco Wasiに行きたいんだけど、と住所のメモを見せると、うううううううん、とそのメモを睨んでいた。バイクを運転しながら、今もちろちろそのメモを見ながら、軒先に掲げられてる番地表示と見比べている。ちゃんと辿り着いてくれるんだろうか?

 「ジャ、ジェガーモス!」

 バイクが止まったのは、大きな緑の門の前。何やら人が癒されているイラストが描かれてあって、その上にSoncco Wasiと書いてある。間違いない。料金を払って、ベルを押すとしばらくして奥さんらしき女性が出てきた。目が鋭く、若いときは美人だったであろう、鼻筋の通った顔立ち。ドクター・ゴンザレスのセッションを受けたい旨、伝えると、今はまだ帰ってきていない、おそらくオフィスにいるだろうから、そっちに行ってみなさい、という返事だった。
 オフィスはちょうど、大学を挟んで反対側にあった。途中、大学の敷地を横切ったが、ん〜、これも大学かぁ、といった感じ。だだっぴろい敷地は一面牧草地のような原っぱが続く。建築中の建物があちこちに置き忘れられている。ときどき建築作業員を見かけるが、学生は殆ど見かけない。
 大学の敷地を抜けた校門の近くにドクター・ゴンザレスのオフィスはあった。既に、奥さんが電話してくれていたらしく、応対の青年につたないスペイン語で話しかけると、すぐに招き入れられた。今、ドクターは執務中だが直ぐに終わるからここで待っているように、とロビーというよりはガレージという感じの土間のようなスペースに置かれた椅子を指差した。椅子に座って辺りを見渡す。壁に博士号の証書が掲げられている。



 
 しばらくすると、さっきの青年が戻ってきて、執務室に案内してくれた。少し緊張する。akiraさんの家で写真を見せてもらったけど、どんな顔だったかすっかり忘れてた。案内された薄暗い部屋は奥の窓際にソファーセットが置かれ、手前に大きな机があり、本やら書類やらが無造作に置かれている。そして、その机にドクター・ゴンザレスは座っていた。薄暗いせいか、浅黒い顔がさらに黒く見える。ジャック・ニコルソンを思わせる悪人面は迫力十分。最初から呑まれてしまう。
 机の横の椅子に僕を座らせ、彼の説明が始まる。さすがはインテリシャーマン。普通に英語を話す。料金は100ソル、セッションは明日の夜、夕方6時に集合。夕食は食べてこないこと。朝と昼は食べてもいいが、軽めにすること。他に、日常生活のあれこれを根掘り葉掘り聞かれた。今までのドラッグ服用経験や非日常意識体験の有無についても聞かれた。あらかたの質問が終わると、彼はジャック・ニコルソンのようににっこりと悪人っぽく微笑み、言った。

 「オーケー、君はセッションで素晴らしい経験をするだろう。」

 ほんまかいな。

ふむふむ、ドクター オブ ナチュラル ヘルス サイエンスねぇ、おっ!かっこして、シャーマン メディスンなんて書いてある。さすがだねぇ。古来、シャーマンが密接に社会とかかわってきた地域ならではだ。

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