2004.11.01(Mon.)


 土曜日、田舎の友達から電話があって、その子の子供の声を電話口で聞いたら無性に会いたくなって、勢いで帰省してしまった。
 三十路も過ぎると、周りでポコポコと子供が出来て、そういう子達と接する機会がバツグンに増える。田舎のその友達もご多分に漏れず、30歳で男の子を産んだ。旦那は10数年来の腐れ縁。田舎に帰る度、そいつの家に泊めてもらっていて、子供が生れても、一向に遠慮もせず遊びに行っていたので、生まれたての頃からよくあやしていた。
 光太郎という古風な名前を持ったこの子、目鼻立ちがしっかりしてきてから分かったのだけど、すごく美男子。というか、喰っちまいたい程かわいい。人見知りも全然しないし、人の顔を見て微笑みかけてきたりもする。俺のハートは鷲掴みにされっぱなし。

 「おーい!こーたーん!おみやげもってきたぞほほほーい!」
と玄関を開けると、廊下を走ってきた光太郎はキャッキャ言いながら、飛び跳ねて喜んでいる。漫画でなら飛び跳ねて喜ぶシーンを見たことあるけど、実際に「飛び跳ねながら喜ぶ」子供を見たのは初めてだと思う。豪雨の中、関越とばしてはるばる来たのは、この一瞬のためだと言っても過言ではない。

 親馬鹿という言葉はあるけど、「親の友達馬鹿」なんて聞いたこと無い。はあ、何やってんだろう。と思いつつも、携帯の待ち受けを光太郎の写真以外に変えられない。どうしよう、このまま子離れ出来なくなったら・・・。ってか、俺の子じゃないって。

 子供ネタ続き。
 むかしカタールに住んでた頃、日本人で二人目となる、ドーハ市内での分娩を敢行した先輩の奥さん。その子がまた可愛いの何のって。たぶん、俺の子供フェチ(なのか?)はここから始まったように思う。灼熱の国で生れたからか、夏那(ナナ)と名付けられたこの子供もよくあやした。この夏那ちゃんをモデルに起用したクマコデザインの本がようやく完成した。みなさん、見てやって下さい。そしてもし良ければ買ってやって下さい。
 

『handmade digital』
ハンドメイドデジタル
定価:本体 1,900円 +税
版元:アスペクト
CD-ROM付き
for Macintosh & Windows
10/25全国書店にて発売。

・10月の事の端たち
・9月の事の端たち
・8月の事の端たち

・7月の事の端たち

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2004.11.07(Sun.)


 もり沢山な週末だった。

 金曜日
 バイトがはねるとダッシュで本郷に向かった。 浦河べてるの東大シンポを見るため、鉄門講堂へと駆け上がる。ぜえぜえ息を切らしながら扉を開けると、人、人、人。定員260名の筈だけど、明らかに100名以上オーバーしてる。通路も階段もギッシリ。akiraさんや麺工房「遊」の大森店主の姿も見える。精神医療の世界で注目を集め続けるべてるの生の声は東大医学部でどう響くのか、楽しみにして来た。
 昔から腐れ縁だった友達が発症したのは、十数年前だった。最初は認めたくなくて無理してでも、それまでと同じく付き合おうとした。けれど、それがやっぱり無理だと認めざるを得ないと思ったのは意外と早かった。S.W.の妹に相談したり、友達の家族と話したりしながら、自分が辿り着いたひとつの答えは、「支える」んじゃなくて、ただ近くに立つことだった。なにかして「あげる」のを止めることで腰を据えてじっくりと、その友達とも、病気とも、付き合えるようになった。しばらくして、べてるの存在を知り「非援助論」に共感した。
 シンポを直接見るのは初めてだったけど、笑ったり、考えたり、感心したり、濃密な時間を過ごせた気がする。ただakiraさんに言わせると、「今日のは普段のに比べると盛り上がりに欠ける」そうな・・・。次が楽しみ。最後にキバヤシさんが歌った「戦争を知らない子どもたち」の替え歌、「べてるを知らない大人たち」は泣けた。本当に泣けちゃった。今も思い出すだけで泣ける。

 べてるのシンポのあと、akiraさんはじめその場に居た8名で麺工房「遊」に行く。閑静な住宅街にひっそり佇む日本家屋。贅沢な庭に張り出したウッドデッキには風流な瓢箪行灯が灯りを落とす。大山鶏や遊牧卵、そして特性の蕎麦、厳選された焼酎、何度行っても舌鼓打ちまくり。閉店後は大森店主とakiraさん、成り行きで残ったジュンさんらと沼袋のチメンカノヤへ。いつ行っても、あなぐらに潜り込むような暖かさが心地よい。この辺から記憶が曖昧。帰り道でチャリのチェーンがぶっちぎれて転んだらしい。目立った外傷は無いものの、翌朝「遊」で目覚めると、額に鈍い痛みが残っていた。

土曜日
 ちゃっかり朝食まで頂いてから、akiraさんの出版記念パーティの会場、スペースエッジへ。照明担当のナオちゃんと受付担当のフミさんを交えて打ち合わせ。1,2時間のつもりだったけど、意外と長引き、結局4時間。
 その後、フミさんと早稲田祭で沸き返る早稲田へ。人ごみでごった返すキャンパスを避けて図書館ホールへ。かねて聞いていた映画「Tibet Tibet」を見た。在日朝鮮人3世の若者がハンディカメラを片手に世界旅行に出るも、チベットで沈没し、自分の民族アイデンティティについて考える、という内容。若さと、逞しさがスクリーンから伝わってきた。ヒリヒリする。
 腐れ縁のヒライが珍しく仕事が休みで、「いつもお前が話してる蕎麦屋に連れてけ」、ということで、再び麺工房「遊」に帰る。ヒライの姉夫婦は田舎で大人気の蕎麦屋を営んでいて、本人も味にうるさいが、そのヒライが唸った。とくに蕎麦湯に唸った。何だか通っぽい。上映会で一緒だったフクシマも連れて行ったが彼も唸る。とにかく美味いのである。
 で、またチメンカノヤへ。昨夜の記憶が無いのだけど、ギャラリーの記名帳には、しっかりと自分の名前とご丁寧に感想まで書き記されているのを発見し、溜息をついた。今度は転ばないようにタクシーで帰った。

日曜日
 今日は朝から中野のチャランケ祭へ。東京近郊在住ののアイヌと琉球の人たちの祭り。深酒が続いてるので、せめて昼間は、と禁酒の誓いを立てたのに、会場に入ってすぐに琉球エイサーの、一群のテーブルに呼ばれて泡盛をご馳走になってしまう。完全な迎え酒。でも、天気はいいし、うぽぽのメロディが心地良いし、アイヌ料理も琉球料理も美味いし、で呑気で上機嫌な時間を過ごす。カムイノミに参加できたし、エイサーにも参加できたし、最後にエムシリムセにも参加できたし、心行くまで祭りを堪能したところで、この週末最後のイベントのため恵比寿へ。会社の時の友人の結婚式2次会に参加。久しぶりの革靴が足に食い込んでイタイ。会社の友人や先輩に会うのは久しぶり。ますますオッサンになる人、家庭を持って丸くなった人、びっくりする程えらそうになっちゃった人、さまざまだけど、結婚した友人は、共にカタールで暮らしてた頃からまったく変わっていなかった。

 というわけで、良く食べ、良く飲み、良く喋り、良く聞いた、そんな週末だった。

2004.11.11(Thu.)


 「盛り沢山」が止まらない。

月曜日
 麺工房「遊」に置きっ放しのチャリをとりに行く。この日、ちょうど酒屋の入荷があり、メニューに載せようか検討中の酒が幾つか入ったというので品評会が始まった。奈良の「風の森」、石川の「宗玄」など、こだわりの逸品ばかり。とにかく銘柄の数が多いので、半合くらいつつ呑み比べ、大森店主と「これは香りがいいねぇ」とか、「これは女性にうけそう」とか言いながらクイクイと。ほろ酔いになりかけたところで、大森店主の言うことには「実は今日、44目の誕生日なんだよね」とのことで、お祝いをしに近くの焼き鳥屋へ。今日こそは、と財布を取り出すも、二人の頑なな態度にまたしても意思を突き通せず、ご好意に甘えてしまった。まったく誰のお祝いなんだか・・・。
 その後、寿司屋をはしごしてから「遊」に帰ってくると、ひろさんが焼いたシフォンケーキが待っていた。ハッピーバスーデイを歌い、ろうそくを吹き消し、Gloriaを歌い、挙句の果てには三線まで登場し、しかもこれがまた大森さんが上手かったりして、俺も調子に乗って「てぃんさぐぬ花」や「島唄」なんか熱唱したりして。とにかく何でもありの大盛り上がり大会になってしまった。考えてみたら、週末から三日三晩「遊」に居たことになる。いっそ、大森さん家の子になってしまえ。

火曜日
 授業がちょうど終わった瞬間にMod's hairの友達から電話が入り、以前から誘われていた手羽先居酒屋「山ちゃん」へ。名古屋発の全国チェーンで、今や50軒以上を全国で展開する。手羽先は確かに名古屋の味だった。スナック感覚でいくつでもパクパク食べられてしまう。「通な食べ方」をその友達から教えてもらった。手羽の真ん中あたりで、予め二つにちぎっておいて要領よく咥えると、骨がするっと抜けて綺麗に食べられる。これがコツをつかむとなかなか癖になる。味もさることながら、一度食べ始めるとやめられない止まらない。店員さんに「閉店です」と言われるまで二人で延々と喰い続けてしまった。

水曜日
 下北マジックスパイスでOKIさんのライブを見た。生で見たのは初めて。トンコリの旋律がグルーヴ山盛りで心地よかった。空気の振動とか共鳴とか皮膚感覚で感じられるのって貴重な体験だと思った。やっぱりすごい。OKIさんもトンコリも。
 OKIさんの話によれば、アイヌは文字を持っていなかったため、音源は残っていても、その曲がどういう時に歌われる歌なのか、どういう意味が込められているのか、そういう情報が残っていない曲が結構あるらしい。エカシ(じいさん)やフチ(ばあさん)に直接教えて貰わなければ、今の曲の殆ども無かったであろうと。ただ、そうやって直接教えてもらった曲も、OKIさんが曲の「意味」や「役割」を細かに尋ねると、「なんでお前は研究者みたいになんでもかんでも聞こうとするのか?」と窘められることもあったという。要するに言葉で何でもかんでも説明することを良しとしない空気があったとか。そんなOKIさんの話を聞きながら、ぼんやりと思った。
 文字の有無だけでなく、アイヌは言葉そのものの機能の仕方も、我々とは違っていたのではないかと。今のこの世の中で、言葉は意味を切り取り、枠に閉じ込める。誰がどこから見ても、ひとつの対象物は決まったひとつの枠の中に概念として固定されている。だから、見たことも聞いたこともない景色や状況を、人に伝えることが出来る。でも、ウポポやユカラに見られるように、アイヌにとって言葉は「感じる物」でなかったんじゃなかろうか。見たことも聞いたこともないくせに分かった気になってしまうのは、言葉がなまじ伝達機能に長けているように思い込んでしまうことによる弊害だろう。言葉の裏側に張り付く百科事典的知識を前提としない、共感するためのもの。アイデンティティの表明ですらない、もっと原初的で根源的な機能をアイヌの言葉はより多く担っているような気がした。目を閉じてトンコリの調べに身をまかせながらそんな風に感じた。

 で、そのまま大人しく帰れば良かったのに、次の日バイトが休みだからって、久々にしょんべん横丁行ってしまった。おまけに馬場で沈没。お陰で今日は頭が重い。
 でも、全部、憶えている。憶えているぞ、ナホ、フクシマ、ミワちゃん!


店員の目を盗んで撮った唯一の写真なのに、あぁ!マイクがぁ!

2004.11.14(Mon.)


 「土曜フリマの会」、ランチ班班長、茅ヶ崎宿場町金丸亭女将、chinakoが年末に出産を控えているため、恒例の「土曜フリマの会」忘年会が繰り上げて執り行われた。

 今年の忘年会はいつもに輪をかけて凄まじかった・・・。
「金丸酒造を飲み干せ!」のサブタイトルの通り、ビール、ワイン、日本酒、焼酎、なんでもござれ。昼の2時から終電間際までよくまあ、飲んだ。
そして食べた。
Fondue fromage、Prosciutto di Palma、White asparagus salada、Aguacate y Quesos、ここから装い新たに、
金丸亭特製おでん、自家製烏賊の塩辛、からすみ大根、台湾産腸詰、牛蒡の金平、蓮根の胡麻味噌和え、蕪のおぼろ昆布漬け、亭主特製手打ちうどん、
とまあ、普通の家庭の台所で作れるキャパを超えた品数、また普通の人間の胃袋が消化できるキャパを超えたボリューム。
 しかし、金丸亭は普通の家庭にあらず、また参加者も普通の胃袋にあらず。
 とにかく良く食べ、良く飲み、良く喋った。
 あー、美味かった、楽しかった。

2004.11.23(Wed.)


 一週間分、まとめ書き。

15日(月)
 たむちゃんの引越しを手伝った。結構しんどい。そのあと、大久保の蕎麦屋で飲んだ。大森さんちの蕎麦に慣れることは罪なことだと思った。

16日(火)
 リオデジャネイロでフラットをシェアしていたミスミちゃんが1.5年ぶりに帰国したので馬場で再会。時間もないからお茶でも、という話しだったけど気付いたらビールを飲んでいた。

17日(水)
 今度タイに渡る和男が滞在心得を指南してほしいというので、有楽町ガード下のタイ料理店「アロイナ・タベタ」へ。どれも一皿630円(税込み)というリーズナブルプライスに大満足。が、翌朝トイレでメランコリック。

18日(木)
 夜、スペイン語の予習をしていると突然akiraさんがやってきた。ホーメイのボロットさんのライブの帰りとのこと。3時過ぎまで飲んでしまい、翌朝akiraさんにしては珍しく二日酔いになっていた。

19日(金)
 大森さんの麺工房「遊」へ。最近、めっきり大森家の養子である。ネアリカン集会になる筈だったが、結局、tomoのみ。恒例のチメンカノヤに行った後の記憶がない。

20日(土)
 終日、akiraさんの出版記念パーティ。詳しくは著者自身の日記で。
出会いと、笑いと、美味しさに溢れた一日。
かように濃ゆい一日はなかなか無いだろうなあ。

21日(日)
 未明3時に日光到着後、日が出るまで飲む。記憶が飛び、気付くと昼前。殆ど寝ずに法事に行ったakiraさんが、ふらふらになって帰って来たのを捕まえて、メルモンテへ。バトミントン、卓球、温泉のフルコース。へとへとになって夜、帰京。

22日(月)
 akiraさんのパーティ用に借りた作品を返しに、大森家に「帰る」。茨城の「日本一美味しい」コロッケをいただく。ジャガイモ以外、グリーンピースもカニクリームも挽肉ですら入っていないジャガイモ100%のコロッケは本当にホクホクしてて美味かった。

23日(火)
 クマコがデザインを手掛ける雑誌"Girlie"のエギジビジョンのオープニングパーティへ。タダだし、ワイン飲めるし、ロマンポルシェ変態だし、偶然にも同じ学部の子に遭遇するし、それ相応に楽しかったんだけど、特筆すべきは「魔法使い」のAlexさんとお近づきになれたこと。ええ居るんです。この科学文明真っ只中にも。むしろ魔法を科学してる。こんなに面白い「立ち話」もあるんだな、と。今度またゆっくり話を聞きたいなぁ。

24日(水)
 珍しく終日Off。で、クマコと日本橋のHARIさんの展示へ。
大森さん家のランプも日本家屋とマッチしてて綺麗だけど、部屋中至るところで光っているギャラリーも堪らない。図らずギャラリーでミチコちゃんとばったり。彼女もランプの魔法にかかったみたい。ボロ市でも会えるかな?
その後、月島のモンジャへ。

 う〜む。エンゲル係数アップ週間。

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